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ネットスーパー各社が苦戦している背景と課題とは何か?

時事ニュース yoshikawa 2016.12.12(月)

インターネットの普及や共働き家庭の増加、少子高齢化などの影響でネットスーパー市場の拡大に期待されていますが、ネットスーパー事業から完全に撤退するケースや一部サービスを改悪、店舗単位でネットスーパー事業を終了するケースが見られるようになりました。
 
ネットスーパーの市場が拡大すると期待される一方で、ネットスーパーがは配送コストが重荷になっていることや総合スーパー事業が各社ともに苦戦していることなど、ネットスーパーを支える根本的な事業における収益の問題などが背景にありそうです。

 

 

ネットスーパーからの完全撤退やサービス改悪が相次ぐ

東京都と神奈川県を中心にスーパーマーケットを展開している「サミット」は2014年9月にネットスーパー事業から完全に撤退しました。また、セブン&アイグループのイトーヨーカドーネットスーパーでも、送料の値上げや送料無料範囲が値上げ、自社カード会員向けの割引サービスが終了になるなど、一部店舗でサービスの改悪が相次いでいます。
 
セブン&アイホールディングスでは、オムニチャネルを進めるべく、ネットと実店舗の連携を強化する目的から、ネットスーパーの受け取りがセブンイレブン店頭でできるサービスを神奈川県相模原市で2014年7月に開始して以来、わずか2年間でサービスが終了となりました。
 

ネットスーパーは予想以上にコストがかかり黒字確保が難しい

サミットネットスーパーは「センター」からの配送を行っており、生鮮食品など目で見て買いたいというニーズが多く苦戦したことや、配送コストが予想以上に重荷になったことから、黒字を確保できず、2013年度は10億円の赤字を計上しました。
 
サミットでは、当初は送料無料を売りにして顧客開拓を行っていましたが、商品を各家庭に配送するにも、人件費やガソリン代が多く発生する他、配送先が不在の場合があるなど効率的な配送が困難であったことも、赤字を拡大させた要因とも言えそうです。
 

総合スーパー(GMS)事業の立て直しで収益改善が急務に


イトーヨーカドー店舗(筆者撮影)
 
総合スーパー(GMS)事業が苦戦していることも背景にありそうです。セブン&アイホールディングスはの2016年3~8月来の連結決算は純利益が334億円と前年同期比60%減少し、総合スーパーや百貨店の営業損失や資産価値の減損処理などの特別損失が膨らんでいます。また、同業者のイオンでも3~8月来の決算ではGMS事業の不振などから最終赤字を計上しています。
 
セブン&アイホールディングスでは、収益改善を急ぐべく総合スーパーのイトーヨーカドーについて、営業キャッシュフローの状況や築年数、地域性など総合的に考慮した上で、2020年までに40店舗を閉鎖することを明らかにしています。従い、コストが重荷になるネットスーパーは、店舗の赤字を膨らます要因にもなります。
 
ただし、ネットスーパー市場は拡大傾向にあることは事実で、サービスを持続して提供していくためにも、ネットスーパー事業の配送網の見直しや配送の効率化などを見直す必要があると言えそうです。


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