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自社株買いが進む日本企業。自社株買いの背景と投資家へのメリットとは?

時事ニュース yoshikawa 2016.10.25(火)

上場企業の自社株買いを行う事例が増えてきています。自社株買いは株価を押し上げる効果があることから、投資家の間でも自社株買いの情報はこまめにチェックするなど投資をする上でチャンスでもあります。
 
今回は、自社株買いが行われている背景と具体的な投資家へのメリットとは何かを考えていきます。
 

 

自社株買いとは?

自社株買いとは、企業が発行している株式を市場から買い戻すことです。
 
そもそも、株式会社が株式を発行している理由としては、株式をより多くの方から購入してもらうことで、会社を経営するための資金として利用するためです。自社が発行している株式を自社で購入する目的としては、株主や投資家へ還元策やストックオプション(従業員の持ち株制度)、敵対買収などの対策があげられます。
 
2016年10月19日付の日本経済新聞の朝刊によれば、上場企業による1~9月までに実施した自社株買いの額は4.3兆円となっており、前年と比べると4割ほど増えています。
 

投資家から経営効率を高める収益性向上が求められてきている

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東京証券取引所(東京都中央区:筆者撮影)
 
自社株買いが増えている背景としては、投資家から経営効率を高め収益性向上を行い、稼いだ利益を株主へ還元することが強く求められることです。株主から預かった資金でどれくらいの利益を稼いだかを判断する「自己資本利益率(ROE)」は、日本企業が7.8%であり、米国企業の12%とくらべて低いのが現状です。
 
さらに、日本企業の場合、稼いだ利益を設備投資や株主還元に使わずに溜め込む「内部留保」する傾向が高く、2015年度の内部留保の金額は377兆円と、前年度と比べて6.6%増えている現状があり、できるだけ株主に還元することが求められます。
 
例えば、発行済の株式数が1000株で純利益が1,000万円、1株あたりの自己資本が10万円、自己資本利益率(ROE)が10%の企業の場合、10万円の10%である10,000円の一株あたりの純利益を生み出すことができます。ここで自社株買いとして500株購入した場合、残りの発行済株式数は500株になりますので、純利益1,000万円から残りの発行済株式数500株を割ると、一株あたりの純利益は2万円となり、自己資本利益率(ROE)は20%となります。
 
そのため、企業は余剰資金を自社株買いを行うことで一株あたりの純利益を増加させることで、保有している株式の価値を上げるメリットにつながります。
 

経営に対して強気であるというメッセージでもある

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株価上昇イメージ(出典:Photo AC)
 
自社株買いを行うことで、保有している株式の価値を高めること以外に、株価が割安に放置されている場合など、経営者が自社の株価に対してもっと高くあるべきと考え、今後の見通しも強気であるというメッセージとしても受け止めることができます。
 
そのため、自社株買いをすることは今後の株価が上がる見込みであると考えることもできることから、既存の投資家としても株価が下支え効果としても機能します。そのため、投資家としても株価が下落する心配をする必要がなく長期に渡って安心して投資を続けることができるわけです。
 
企業がIRニュースなどで自社株買いを発表すると、買いが入り株価は上昇します。自社株買いの情報については企業のIRページの他、日経新聞にも記載されます。合わせて四季報や日経会社情報などで業績予想が強気である企業を探してみるのも良いでしょう。
 


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