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株主総会の開催が相次ぐ、今年は企業統治が厳しく問われる年に

時事ニュース yoshikawa 2017.06.26(月)

6月に入り、2017年3月期決算の上場企業が相次いで株主総会を開催します。株主総会については2016年6月28日付けの記事で詳しく記載していますが、株式を発行している企業が経営に関する重要事項を決める会議です。
 
2017年度は上場企業の純利益は18%増加するなど業績は底堅さがありますが、2017年度は業績だけではなく「企業統治(コーポレートガバナンス)」が厳しく問われる総会となりそうです。
 

 

企業統治(コーポレートガバナンス)とは?

企業統治(コーポレートガバナンス)とは、企業が事業活動を行う上で、競争力と収益力を向上させることに加え、企業の不正を防止することで、企業の価値を持続的に向上させる仕組みで、企業が正しい事業活動を行っているかを監視することです。
 
日本企業は古くからメーンバンク制を採用しており、銀行による経営監視が一般的でどちらかと言うと内輪だけの経営に近い状況となっていました。近年では経済のグローバル化が進み、株式の持ち合いが崩れたことで、外国人投資家による日本企業の株式保有率も高まっており、欧米と同一の視点での企業統治が求められています。
 
日本の企業は、株式の持ち合いなどで外部からの監視があまり強いとは言えない状況が続いていたことから、企業統治については欧米と比べて十分とは言えないのが現状です。近年では東芝の不正会計問題や電通の長時間労働による過労自殺問題などの不祥事が相次ぎました。
 

社外取締役を2人以上選定するなど外部監視を強める


ANAホールディングス株主総会会場(東京都品川区:筆者撮影)
 
近年では、「社外取締役」という言葉を耳にする機会が増えています。社外取締役とは、名前の通り社外の取締役で、株式会社に属している取締役ではなく、社外の人間が取締役を務めることで、外部の視点によって経営状況をチェックを行います。
 
2015年の会社法が改正されたのを機に、社外取締役を原則として導入するように促しています。社外取締役を導入することで、外部の監視を強め株主の発言権を強めることで企業の健全性を高めます。
 
2017年6月11日付の日本経済新聞朝刊によると、投資運用会社の野村アセットマネジメントでは株主総会における議決権の賛否基準として、社外取締役を最低2人選任することを挙げています。また、英米の公的運用会社では社外取締役の数を3分の1以上にするように要請しています。
 
東京証券取引所によると、社外取締役の選任状況は年々増加しており、2015年の約80%から2016年度は97%に上昇したとしています。また、外国人の持ち株率が高い企業での社外取締役の登用率が高く、持ち株率30%以上で2.7人で、持ち株率10未満は1.5人となっているとのことです。
 

自己資本利益率(ROE)の向上も課題に

自己資本利益率(ROE)の向上にも日本企業の課題として叫ばれています。ROEとは、株主から預かった資本を手元にどれだけ利益を上げたかを示す数値です。
 
2017年6月18日の日本経済新聞朝刊によると日本企業の場合2016年度は8.6%になったとしており、年々ROEは上昇傾向にあるものの、米国の平均ROEが10%台であることを考慮すると開きが大きく、資本効率の改善の余地が多いのが現状です。
 
日本では古くから株の持ち合いなど内輪だけの経営を行う傾向が強かったことから、外部の監視が行き届かず不正がほころびる、利益を内部保留してしまい株主への還元がおざなりとなり資本効率が低下するという傾向がありました。
 
近年では日本においても企業統治は整いつつありますが、今後は企業統治をさらに強化し、企業価値を持続し資本効率を高めることが、日本のみならず世界経済の持続的成長につながると言えそうです。
 


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