ロータリークラブの例会報告と出欠管理をAI×LINEで自動化|千歳ロータリークラブ様「担当者の負担」解消事例
投稿日 2026年11月5日 更新日 2026年10月31日 制作・改善事例
千歳ロータリークラブ様は、毎月の例会や奉仕活動の様子を、ホームページと Facebook で発信されています。2026年10月、その「発信の手間」を減らすために、LINE 公式アカウントとの連携と、例会報告をスマートフォンから送るだけで下書きができる仕組みを作りました。これに先立って2026年夏には、写真付きの電子会員名簿と、LINE で回答できる出欠システムも構築しています。
弊社代表の吉岡毅も、千歳ロータリークラブの会員の一人です。2026年7月からの今年度は、出席・資料管理委員会の委員長を務めています。今回の取り組みは、職業を通じて地域や社会に役立つというロータリーの「職業奉仕」の考えのもと、本業である Web とシステムの力でクラブの活動を支えるものとして行いました。
「更新できる人が限られている」「連絡や出欠の集計に手間がかかる」といった悩みは、ロータリークラブに限らず、ボランティアで運営される多くの団体に共通するものだと思います。同じ悩みをお持ちの団体の参考になればと、取り組みの中身をご紹介します。
この記事でわかること
・ボランティアで発信を担う人の負担を、どこから減らしたか
・写真付きの電子会員名簿と、LINE で回答できる出欠システム
・事務局の案内を LINE 公式アカウントで会員に届ける流れ
・スマートフォンから写真と原稿を送るだけで、例会報告の下書きができる仕組み
・ホームページの公開に合わせて Facebook にも自動で投稿する流れ
・AI に任せること、人が必ず確認することの分け方
この記事の目次
1. ご相談のはじまり:発信を支える人の負担
2. 方針:人にしかできないことに時間を使う
3. 電子会員名簿と、LINE で答える出欠システム
4. LINE 公式アカウントで、案内をまとめて届ける
5. 例会報告:送るだけで下書きができる仕組み
6. 公開すると Facebook にも自動で投稿
7. 読む人にもやさしいホームページに
8. 安心して使い続けるために
9. 取り組みの記録
10. 今回の取り組みで大切にしたこと
1. ご相談のはじまり:発信を支える人の負担
千歳ロータリークラブ様では、月に3回ほどの例会のたびに写真を撮り、「例会報告」としてホームページに掲載しています。1回の報告に載せる写真は20〜25枚ほど。会長挨拶や幹事報告の原稿、登壇された方の役職とお名前を一つずつ確かめながら、ページを作っていきます。
この作業を担っているのは、クラブ会報・公共イメージ・雑誌・ICT委員会のメンバーの皆さんです。それぞれご自身の本業を持ちながら、奉仕の精神で交代しながら担当されています。
ただ、WordPress(ワードプレス)の管理画面での写真の入れ方や、見出しと写真の並べ方など、パソコンに慣れた人でないと難しい部分があり、結果として同じメンバーに作業が集中してしまう。クラブとして、ここを課題と感じていらっしゃいました。
- 写真は例会ごとに Google フォトのアルバムに集まるが、そこから選んでホームページに入れるのが手間
- 会長・幹事の原稿は LINE で届き、パソコンに移して整える必要がある
- 登壇者の役職やお名前を、当日の記憶と組織図を見比べて書いている
- 同じ内容を Facebook にも、改めて文章と写真を用意して投稿している
- 事務局からの例会案内を、会員向けの LINE に手で書き直して送っている
- 出欠の確認や集計、例会当日の受付も、事務局と担当者の手作業に頼っていた
2. 方針:人にしかできないことに時間を使う
例会の写真を撮ること、その場の雰囲気を感じること、記事を最後に確かめて公開すること。ここは人にしかできません。一方で、写真を選んで並べる、原稿を整える、同じ内容を別の場所にも載せる、といった作業は、AI とシステムに任せられます。
そこで、「効率化できるところはすべて仕組みにして、そのぶんの時間をロータリーの奉仕活動に使ってもらう」ことを目標にしました。あわせて、次の2つは最初に決めた約束です。
AI は勝手に公開しない
AI が作るのは「下書き」まで。ホームページへの公開は、必ず担当の会員が内容を確かめてから行います。
担当者は新しいことを覚えなくてよい
ふだん使っているスマートフォンと LINE、Google フォトのまま使えること。パソコンからでも同じように使えること。
3. 電子会員名簿と、LINE で答える出欠システム
発信の仕組みの土台になっているのが、2026年夏に構築した電子会員名簿と出欠システムです。きっかけは、今年度、弊社代表が出欠と会員の資料を受け持つ出席・資料管理委員会の委員長になったことでした。クラブの運営で毎回手間のかかっていた「会員の確認」と「出欠の集計」を、スマートフォンとタブレットで済ませられるようにしました。
電子会員名簿:写真付きで、誰がどなたかすぐ分かる
約70名の会員の名簿を、顔写真付きでスマートフォンやタブレットから見られるようにしました。会員の情報は、事務局で管理している名簿の表(Excel)から取り込むので、二重に入力する必要はありません。
個人情報を守るため、名簿に載せるのは、ホームページの組織図の「メンバー紹介」で以前から公開している情報だけにしています。そのうえで、紙の名簿にはない「探しやすさ」を加えました。
- お名前の検索(音声入力にも対応)と、「あ・か・さ…」の五十音での絞り込み
- 入会年や新入会員などの条件で絞り込める「オプション検索」。新入会員の紹介や、例会での発表の準備にもそのまま使えます
- 顔写真・会社名・所属委員会がひと目で分かるカード表示と、たくさんの人を見渡せる「コンパクト表示」の切り替え
- 新しく入会された方の顔と名前を覚えるのにも役立ちます
電子会員名簿:名前や五十音で探して、顔写真と所属委員会を確認出欠は LINE で回答、結果は自動で集計
例会の出欠は、会員の方が LINE 公式アカウントのメニューから「出欠を回答する」を押すと、直近の例会の一覧が表示され、例会ごとに「出席・食事不要・欠席」を選ぶだけで回答できます。押したその場で保存され、あとから変えるのも同じ画面で押し直すだけです。
出欠入力:例会ごとにボタンを押すだけで、その場で保存① 案内が届く
LINE に例会の案内が届く(4. の一斉送信)
② LINE で回答
メニューから出欠の画面を開き、「出席・食事不要・欠席」を選ぶ
③ 自動で集計
回答は出欠管理の表に入り、出席人数・食事の数・出席率が自動で計算される
④ 当日の受付
例会当日は、名簿の画面でそのまま出席のチェック。複数の端末で同時に使える
「食事不要」を選べるようにしたことで、事務局は食事の数を正確に会場へ伝えられ、食べ残し(フードロス)を減らすことにもつながっています。LINE で回答した方は、事務局へ改めて出欠を連絡する必要もありません。
当日の出欠チェックも、名簿の画面で
例会の受付では、会員名簿と同じ画面を「出欠チェック」に切り替えて使います。LINE で事前にいただいた回答を読み込み、来られた方を押していくだけ。受付を複数の端末で手分けしても、チェックした内容はすべての端末に同時に反映されます。同じ日に昼の例会と夜の例会がある日でも、例会ごとに分けて記録できます。
この名簿と出欠の仕組みは、ほかのロータリークラブや青年会議所など、会員制の団体にも応用できる形で作っています。
4. LINE 公式アカウントで、案内をまとめて届ける
出欠を受け付けている LINE 公式アカウントに、今回、事務局からの案内を会員に届ける流れを加えました。案内を受け取った会員の方は、同じ LINE からそのまま出欠を回答できます。
① 事務局からメール
Word や PDF の案内が付いたメールを、自動でドライブに保存し、中の文字を読み取って一覧に
② AI が文案を作成
これまでの案内と同じ書き方で、日時・場所・会費・回答期限をまとめた LINE の文案を作る
③ 担当者が確認
宛先と文面を担当者が確かめて「OK」を出す
④ 会員に一斉送信
OK の後にだけ送信。公開カレンダーにも予定を反映
LINE 公式アカウントの無料の範囲(月200通)で使い続けられるよう、一斉送信は月2回までと決め、複数の行事の案内を1通にまとめる形にしています。送る文面は毎回、担当者の確認を通してから送信します。
送った案内の書き出し(例)
千歳ロータリークラブ会員の皆様
お疲れ様です。
出欠案内に、以下の3件の予定を追加いたしました。
内容をご確認の上、出欠のご回答をお願いいたします。
1.通常例会
日時:…
場所:…
【回答方法】左下のリッチメニュー「出欠を回答する」をタップ…
5. 例会報告:送るだけで下書きができる仕組み
いちばん手間のかかっていた例会報告は、担当者がスマートフォンから「送るだけ」で、ホームページに下書きができる形にしました。
担当者がすること
① 投稿ページを開く
クラブ専用のページを開き、合言葉を入れて、例会を選ぶ
② 写真と原稿を付ける
写真を選ぶか、Google フォトのアルバムのリンクを貼る。原稿は LINE で届いたファイルをそのまま
③ 送る
お客様のお名前や卓話の題など、分かることはメモ欄へ
④ 確かめて公開
「下書きができました」のメールが届いたら、内容を確かめて公開ボタンを押す
担当者がするのはこれだけです。ページの組み立ては、裏側で AI とシステムが行います。
裏側で行っていること
- 写真を場面ごとに分けて選ぶ:撮影時刻と写っている場面から、「例会前の様子」「会長挨拶」「卓話」「集合写真」などに分け、それぞれにふさわしい写真を選びます
- 次第と原稿から本文を作る:事務局の案内、組織図、これまでの報告の並び方、届いた原稿をもとに、過去の報告と同じ形で見出しと本文を組み立てます。数字は全角、曜日は自動で計算するので、打ち間違いが起きにくくなります
- 分からないところは空けておく:金額や人数など、資料から分からないところは推測で埋めず、黄色い【 】で残します。担当者が見ればすぐ分かり、残したまま公開しようとすると確認の表示が出ます
- 写真を軽く、安全に:写真はホームページに入れる前に、表示が速い形式(WebP)に変換し、撮影場所の情報(位置情報)などを消してから登録します
下書きづくりは1日4回、自動で見回って行います。送ってから長くても数時間で、担当者と事務局の担当にメールが届きます。
最初の1回:ガバナー公式訪問の例会
仕組みを作るにあたって、2026年10月29日のガバナー公式訪問の例会を、実際に1回通して作りました。Google フォトのアルバムに集まった写真は141枚。その中から場面ごとに31枚を選び、お客様の紹介、会長挨拶、ガバナー挨拶、バナー交換、米山奨学金の授与、ガバナー卓話など17の項目に分けた下書きを作成しました。担当の会員が少し手直しをして、その日のうちに公開されています。
この1回で、「進行表・お客様の名簿・会長と幹事の原稿」がそろえば、報告の中身はほぼ決まることが分かりました。そこで投稿ページでは、写真と一緒にこれらの資料も受け取れるようにしています。
これまでどおりパソコンから作る方にも
管理画面から自分で作りたい方のために、報告の入力画面も見直しました。「新規追加」を押すと、通常例会・夜間移動例会・活動報告のひな形が最初から入っていて、書き換える場所は黄色で示されます。書き方の手順も画面の上に表示されるので、初めて担当する方でも迷わず入力できます。入れた写真は、自動で軽い形式に変換され、位置情報も消えるようにしました。
6. 公開すると Facebook にも自動で投稿
これまでは、ホームページに報告を載せたあと、Facebook ページにも改めて文章と写真を用意して投稿していました。今回、ホームページで報告を公開すると、15分ほどで Facebook ページにも自動で投稿されるようにしました。
- 文面は「◆日時・◆場所・◆プログラム・◆担当」をそろえた決まった形に、担当者のひとことを添えられます
- 写真は、アイキャッチ(代表の写真)を1枚目に、報告の写真から最大15枚。載せたくない写真は編集画面でチェックを外すだけ
- 最後にホームページの報告へのリンクが付き、Facebook からホームページへ読みに来てもらえます
- 投稿が済むと、担当の会員の LINE にお知らせが届きます
- Facebook に載せない報告は、編集画面のチェックを外せば投稿されません
あわせて、Facebook や LINE に報告のリンクを貼ったときに、その例会の写真と日時・場所が表示されるように整えました(以前は、どの報告もクラブ共通の画像と説明文が出ていました)。
7. 読む人にもやさしいホームページに
作る人の負担を減らすのと同時に、読む人にとっての見やすさも見直しました。会員の皆さんも、ホームページを見に来られる方も、年齢層の高い方が多いクラブです。記事の中身(データ)には手を加えず、表示のしかただけを整えたので、400件を超える過去の報告すべてに一度に効いています。
例会報告のページ
文字を大きく、濃く、読みやすい行間に。冒頭の日時・場所などは表にまとめ、すぐ下に「この報告の内容」として項目へ移動できるボタンを置きました。小さな写真が1枚ずつ縦に並んでいたところは、スマートフォンでも見やすい2〜3列の並びにし、写真を押すとその場で大きく表示して、左右に送って見られるようにしています。
改善前:文字が小さく、冒頭の情報がただの行で並ぶ
改善後:題名と文字を大きく、冒頭の情報を表に報告の一覧とトップページ
以前の報告の一覧は、最新5件の記事が全文のまま縦に続き、パソコンでも1ページが非常に長くなっていました。これを、写真付きのカードが並ぶ一覧に変え、「例会報告」「活動報告」の切り替えと、ロータリー年度(7月〜翌6月)で探せる選択欄を付けました。トップページにも、よく見られるページへの大きなボタンと、最新の報告6件のカードを置いています。

報告の一覧:写真付きのカードで、年度ごとに探せる形に
このほか、スマートフォンでの左右の余白の調整、組織図の文字の拡大、例会場・事務局のページの電話番号を押して電話できる形への変更、長いページで上に戻るボタンの追加なども行いました。
8. 安心して使い続けるために
会員のお名前や写真を扱う仕組みなので、便利さと同じくらい、安全に使えることを大切にしました。
- 公開は必ず人が行う:AI が作るのは下書きまで。LINE の一斉送信も、担当者の確認の後にだけ送ります
- 名簿に載せる情報を限る:電子会員名簿には、ホームページの組織図ですでに公開している情報だけを載せています
- 受け付けるファイルをしぼる:投稿ページで受け取るのは、写真と、Word・Excel・PDF などの原稿だけ。マクロ入りのファイルやプログラムのファイルは受け付けません。合言葉を何度も間違えると、しばらく使えなくなります
- AI には「データ」だけを作らせる:ホームページに登録する手順はあらかじめ決めて点検したものだけを使い、AI が作った文章や写真は、決められた欄に文字として流し込みます
- 写真の位置情報を消す:撮影場所などの情報は、ホームページに載る前に自動で消します
- いつでも止められる:自動の仕組みは、ファイルを1つ置くだけで一時停止できるようにしています
- プライバシーポリシーの整備:例会報告での写真とお名前の掲載や、削除のご希望の窓口などを定めたページを新たに公開し、全ページの下からたどれるようにしました
9. 取り組みの記録
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2026年7月〜 | 弊社代表が出席・資料管理委員会の委員長に就任。写真付きの電子会員名簿と、例会当日の出欠チェックの仕組みを構築。LINE 公式アカウントでの出欠回答・自動集計と連動 |
| 10月29日 | 事務局の案内メールの自動保存、LINE での例会案内の一斉送信を開始。例会報告の自動化の検討を開始し、報告のページの見やすさを改善 |
| 10月30日 未明 | 報告の一覧・トップページ・固定ページ・スマートフォン表示を改善。管理画面の入力画面にひな形と書き方の案内を追加 |
| 10月30日 昼 | ガバナー公式訪問の例会報告を、新しいやり方で作成・公開。リンクを貼ったときの見え方を修正、プライバシーポリシーを公開 |
| 10月30日 夕方 | Facebook ページへの自動投稿を開始。例会報告の投稿ページと、下書きの自動作成を稼働 |
| 10月30日 夜 | 会報委員会の皆さんへ、新しい仕組みの使い方をご案内 |
10. 今回の取り組みで大切にしたこと
特定の人に頼らない形にすること。パソコンが得意な人だけが担当できる状態から、スマートフォンを使える人なら誰でも担当できる状態へ。交代で担う方の誰もが、同じ品質で報告を出せることを目指しました。
AI に任せることと、人が決めることを分けること。写真を選ぶ、文章を整える、同じ内容を別の場所に載せる、は AI とシステムに。公開する、送る、呼び方を決める、は人に。この線を守ることで、安心して任せられる仕組みになります。
浮いた時間を、本来の活動に。ロータリークラブの本分は奉仕活動です。発信のための作業が減ったぶん、例会や地域の活動そのものに時間を使っていただけたら、と考えています。
団体・クラブの発信のお悩みもご相談ください
「更新できる人が限られている」「ホームページと SNS に同じ内容を何度も載せている」「LINE で会員への連絡や出欠をまとめたい」など、ボランティアで運営される団体やクラブ、地域の会の発信のお悩みもご相談を承っています。北海道千歳市を拠点に、道内各地のお客様のサイトとシステムをお手伝いしています。
千歳ロータリークラブ(国際ロータリー第2510地区)
https://www.chitose-rc.jp/
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2026.11.05 #制作・改善事例
吉岡 毅(株式会社ツヨシオカ 代表取締役)
北海道千歳市の株式会社ツヨシオカ代表。中小企業や団体のWordPressサイトの制作と保守を手がけ、サーバーの管理やセキュリティ対策、PHP・WordPressの更新まで一貫して対応しています。

