お問い合わせの個人情報、サイトの中に溜まっていませんか?|Flamingoの保存データの確認と整理
投稿日 2026年10月30日 WEB・PC関連
ホームページのお問い合わせフォームから届いた内容は、メールで受け取るだけだと思っていませんか。WordPressのサイトでは、プラグインの設定によって、送られてきた名前・メールアドレス・電話番号・相談内容が、何年分もサイトのデータベースに保存され続けていることがあります。
先に結論をお伝えします。まず「保存されているか」「いつからの分が何件あるか」を確認し、そのうえで「メールだけにする」「期間を決めて自動で消す」「保存を続けて守りを固める」のどれにするかを決めましょう。使っていない個人情報を消しておけば、万一サイトに不正に入られたときの被害を小さくできます。
この記事では、北海道千歳市でホームページの制作と保守をしている私たちが、管理しているWordPressサイトの保存状況を調べ、お客様と相談しながら整理した経験をもとに、確認の方法と整理の手順をまとめました。

この記事でわかること
・お問い合わせの内容が、サイトのどこに溜まっているのか
・自社サイトに保存されているかを確かめる方法
・「メールだけ」「期間を決めて削除」「保存を続ける」の選び方
・保存分を安全に整理する手順と、やってはいけないこと
この記事の目次
1. なぜ今、問い合わせの保存を見直すのか
2. 問い合わせの個人情報が溜まる場所
3. 自社サイトに保存されているか確かめる方法
4. どうするかを決める:3つの選び方
5. 保存分を整理する手順
6. 実例:私たちが管理するサイトを調べてわかったこと
7. やってはいけないこと
8. まとめ
なぜ今、問い合わせの保存を見直すのか
個人情報保護法には、個人情報を何年保存してよいかという決まりはありません。そのかわり、利用する必要がなくなった個人データは、遅滞なく消去するよう努めなければならないとされています(法第22条。努力義務です。個人情報保護委員会のQ&A)。返信が終わった何年も前の問い合わせを、理由もなく残しておく必要はないということです。
また、2022年4月からは、一定の漏えいが起きたときに、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務になりました。不正アクセスなど「不正の目的による漏えい等(そのおそれがある場合を含む)」には人数の条件がなく、1件でも報告の対象になります(個人情報保護委員会:漏えい等報告・本人への通知の義務化について)。サイトに何千件もの問い合わせが残っていれば、乗っ取りが起きたときに、それだけ多くの方へのお知らせとお詫びが必要になります。
さらに2026年10月7日には、個人情報保護委員会が、大量の個人情報を扱う事業者が不正アクセスを受けた大規模な漏えい事案を踏まえて注意喚起を出しました。安全管理措置の見直しとあわせて、利用する必要がなくなった個人データを遅滞なく消去すること、保管している個人データが本当に必要かを確かめることを、あらためて求めています(個人情報保護委員会の注意喚起(PDF))。大企業だけの話ではなく、お問い合わせフォームのあるホームページを持つ会社にも、無関係ではありません。
問い合わせの個人情報が溜まる場所
WordPressで多く使われているお問い合わせフォームのプラグイン「Contact Form 7」は、それだけでは送信内容を保存せず、メールで送るだけです。ところが、保存用のプラグインを一緒に入れていると、初期設定のままでは送信内容がすべてデータベースに残ります。代表的なのが、同じ作者による「Flamingo」です(Contact Form 7 公式:Flamingoで送信内容を保存する)。「メールが届かなかったときの控えに」と入れたまま、何年もたっているサイトは少なくありません。
| 溜まる場所 | 中身 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| Flamingoの「受信メッセージ」 | フォームの送信内容すべて(名前・メールアドレス・電話番号・相談内容など) | 迷惑メール(画面では「スパム」)と判定された分や、ゴミ箱の分も対象 |
| Flamingoの「アドレス帳」 | フォームを送った人の名前とメールアドレス(サイトのユーザーやコメント投稿者も自動で入る) | 受信メッセージとは別に保管される |
| 昔使っていた保存用プラグインの表 | 以前の送信内容 | プラグインを削除しても、データベースの中身だけ残っていることがある |
| 受け取ったメールボックス | フォームから届いたメール | サイトとは別に、社内のパソコンやメールサーバーにも残る |
この記事では主に、上の3つ(サイトの中に溜まる分)を扱います。メールボックスの整理も、あわせて社内のルールを決めておくと安心です。
自社サイトに保存されているか確かめる方法
WordPressの管理画面にログインし、次の順に確認します。
- 左のメニューに「Flamingo」があるか:あれば保存用プラグインが入っています。「受信メッセージ」を開くと件数と日付が見られます。いちばん古い日付も確かめましょう。
- 迷惑メール・ゴミ箱の件数も見る:一覧の上の「スパム」(迷惑メールと判定された分)と「ゴミ箱」にも件数が出ます。これらも個人情報です。
- 「アドレス帳」の件数を見る:フォームを送った人の名前とメールアドレスが一覧になっています(サイトのユーザーやコメント投稿者も自動で入ります)。
- 「プラグイン」の一覧で、ほかの保存用プラグインがないか見る:名前に「DB」「Database」「Entries」などが付くフォーム関連のプラグインは、送信内容を保存するものが多いです。
なお、すでに削除した昔のプラグインのデータが残っているかどうかは、管理画面からは見えません。データベースを直接確認する必要があるため、制作・保守をしている会社に「フォームの送信内容が、サイトの中にどれだけ残っているか調べてほしい」と依頼するのが確実です。
どうするかを決める:3つの選び方
保存されていることがわかったら、今後どうするかを決めます。どれが正解というより、自社の使い方に合わせて「なぜ保存するのか」を説明できる形にすることが大切です。

| 選び方 | 向いている会社 | 気をつけること |
|---|---|---|
| メールだけにする(保存しない) | 問い合わせはメールで受けて返信すれば終わる会社。多くの中小企業はこれで足ります | メールが届かないと問い合わせを取りこぼすため、定期的な送信テストが必要 |
| 期間を決めて自動で消す | メールの取りこぼしが心配で、控えは持っておきたい会社 | 期間(例:2週間・1か月)を決める。Flamingoには自動で消す機能がないため、別の仕組みが必要(保守会社に相談)。仕組みが止まっていないかも点検する |
| 保存を続けて守りを固める | 申込みの管理などに、サイトの保存データを実際に使っている会社 | 管理画面に入れる人を絞る、パスワードを強くする、WordPressとプラグインを最新に保つ |
Contact Form 7には、フォームごとに保存を止める設定もあります。フォームの編集画面の「その他の設定」に do_not_store: true と書くと、そのフォームの送信内容はFlamingoなどに保存されなくなります(Contact Form 7 公式:その他の設定)。「採用の応募フォームだけは保存しない」といった使い分けができます。
保存分を整理する手順
今までの保存分を消すときは、次の順番で進めると安全です。

- 残しておくべき分がないか社内で確かめる:見積もりの経緯などで後から見返すことがあるなら、必要な分だけ一覧にして社内の決まった場所に移します。受信メッセージ・アドレス帳それぞれの一覧画面の上に「エクスポート」ボタンがあり、CSVで書き出せます。書き出したファイルも個人情報なので、置き場所と消す時期を決めておきます。
- サイトのバックアップを取る:作業の失敗に備えます。ただし、バックアップの中にも個人情報が入っています。作業がうまくいったら、決めた期間(私たちは1週間)のあとに消します。
- 受信メッセージを消す:一覧の一番上のチェックで表示中の分を選び、「一括操作」から「ゴミ箱へ移動」を選びます。一度に選べるのは表示中のページの分だけなので、件数が多いときは画面右上の「表示オプション」で1ページの件数を増やすか、0件になるまで繰り返します。スパムの分も忘れずに。ゴミ箱に入れただけではまだ残っているので、ゴミ箱を開いて「ゴミ箱を空にする」を押します。
- アドレス帳を消す:受信メッセージとは別に残っているため、同じように削除します(アドレス帳の削除はゴミ箱を通らず、すぐに消えます)。
- 今後の保存を止める:メールだけにするなら、③④で中身を消してから、Flamingoを停止して削除します。昔のプラグインの表が残っていれば、それも消します(ここはデータベースの作業になるため、保守会社に任せるのが安心です)。
- フォームの送信テストをする:最後に実際にフォームから送って、メールが届くことを確かめます。

実例:私たちが管理するサイトを調べてわかったこと
2026年10月、私たちが保守を担当しているWordPressサイト60あまりについて、問い合わせの内容がサイトの中に保存されているかを調べました(件数と期間だけを数え、中身は見ていません)。
- 約7割のサイトで、問い合わせの内容が保存されていました。その多くはFlamingoが動いていて、今も送信のたびに保存し続けていました。
- いちばん古いものは10年以上前の問い合わせでした。数千件が残っているサイトもありました。
- 昔使っていた別の保存用プラグインは削除済みなのに、データベースの中身だけが残っているサイトが多くありました。
- 受信メッセージの中には、迷惑メールと判定された分やゴミ箱の分も、かなりの数が含まれていました。
そこで、お客様ごとに「今後は保存せずメールだけにする」か「保存を続ける」かをお尋ねしました。ご回答いただいたお客様の多くが「メールだけ」を選ばれ、ご希望があれば削除の前に一覧をお渡ししたうえで、バックアップを取ってから整理しています。作業のあとは毎回フォームの送信テストを行い、メールが届くことを確かめました。
一方で、「以前メールが届かなかったことがあるので、メールだけにするのは不安」というご相談もありました。その場合は、一定の期間を過ぎた分を毎日自動で消す形をご提案しています。控えは残しつつ、溜まり続けることはなくなります。
やってはいけないこと
- バックアップを取らずに、いきなりプラグインを削除する:必要な一覧を取り出せなくなります。また、Flamingoはプラグインを削除しても受信メッセージやアドレス帳のデータがデータベースに残ります。「消したつもり」にならないよう、先に中身を消してからプラグインを削除しましょう。
- 書き出した一覧やバックアップを、そのまま放置する:パソコンのデスクトップやメールの添付に残っていると、サイトから消した意味が薄れます。渡し終えたら消しましょう。
- 保存をやめたのに、送信テストをしない:メールが届かない状態だと、問い合わせが誰にも届かず消えてしまいます。
- 社内の確認を飛ばす:問い合わせの控えを業務で使っている部署がないか、先に確かめましょう。
なお、法律上の扱いについて個別の判断が必要な場合は、弁護士などの専門家にご相談ください。
まとめ
- WordPressのお問い合わせフォームは、保存用プラグインがあると送信内容を何年分も溜め続ける
- まず管理画面で、Flamingoの受信メッセージ(スパム・ゴミ箱を含む)とアドレス帳の件数・期間を確認する
- 「メールだけ」「期間を決めて自動で消す」「保存を続けて守りを固める」から、自社に合う形を選ぶ
- 整理は「必要な分の書き出し → バックアップ → 削除(ゴミ箱も空に)→ 保存を止める → 送信テスト」の順で
- 書き出した一覧やバックアップも、期限を決めて消す
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株式会社ツヨシオカでは、北海道千歳市を拠点に、WordPressサイトの保守の一環として、お問い合わせフォームの保存状況の確認や、保存データの整理、フォームの送信テストまでお手伝いしています。「うちのサイトにも溜まっているか調べてほしい」「メールだけにしたいが、取りこぼしが心配」といったご相談も、お気軽にお寄せください。
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2026.10.30 #WEB・PC関連
吉岡 毅(株式会社ツヨシオカ 代表取締役)
北海道千歳市の株式会社ツヨシオカ代表。中小企業や団体のWordPressサイトの制作と保守を手がけ、サーバーの管理やセキュリティ対策、PHP・WordPressの更新まで一貫して対応しています。
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